町中での会話


2003年5月

1.電車の中で

私が会社へ行く朝の電車の中で、高校生と思われる男子生徒の二人が会話をしていました。

学生A:今度の英語の先生はかなり厳しいよ。

学生B:どんな風に?

学生A:先生はこう言ったんだよ。

先生:開くという英単語を知っているよね。中学生でも知っている単語だから。

もし、知らなかったら、死んだ方がましだな。

でも、明日このクラスの人数がそのために、一人減っていたら困るけどね。

学生B:ずいぶん乱暴なことを言うんでね。

学生A:それだけじゃ、ないんだよ。

学生B:まだ、あるの?

学生A:こんなことも言ったんだよ。

先生:今度、テストをする時には事前にテストをすると言いますから。

では、これからテストします。

学生B:そんなの、有りかよ。

学生A:そうだろう。せめて、前の日に言うのが当然だよな。

2.喫茶店の中で

会社の仲間で昼食後の喫茶店内での会話です。

私:若い君は女の人にやさしいよね。もてるでしょ。どうして、そんなにやさしいの。

彼:だって、父親のようになりたくないから。

私:どういうこと?

彼:私が小さい時、夕食の時間に父がこう言ったんだ。

父親:あれを持ってきてくれ。

彼:あれって、何ですか。

父親:あれと言ったら分かるだろ。

彼:それから彼は怒り出したんだ。後で分かったんだが、あれとは身の回りにあるものではなく、戸棚の中にあるものだったんだ。そんなの、子供に分かるわけないよね。

私:そうなの。それじゃ、お母さんはもっと大変だろうね。

彼:そうなんですよ。 母親の大変さを見ているから、私は女の人にやさしくするんですよ。

でも、大きくなってからは、理屈が分かってきたから、議論では父には負けないんですよ。

それから、父は私と議論しなくなったんですよ。いつも議論では私が勝つから。

私:そうか。そういうわけか。君のお父さんは言わば、君の反面教師なんだね。

でも、お父さんは回りの状況から見て、自分の言っていることが、分かるだろうって気持ちかも知れないね。

彼:そうかも知れないけど。分からないものは分からないよ。

3.六本木ヒルズで

2003年5月3日

私は95歳になる母親と二人で、オープンしたばかりの六本木ヒルズに早速行ったのでした。

六本木ヒルズ森タワーの52階(海抜250メートル)の展望台がお目当てでした。

朝の11時30頃には既に多くの人が来て並んでいました。 私達は長い列の最後に並んだのですが、見るまでには30分後とのことでした。母親には車椅子を用意したので、長い行列には耐えられるものでした。 しかし、列はなかなか思ったようには、進みませんでした。

私達の後ろには4人の家族が来ていました。

父親、母親と娘2人と思われました。

父親:ここの展望台と東京タワーの展望台とは同じようなものじゃないの。

母親:あそことここでは少し、場所がずれているでしょ。だから、景色が少し違うのよ。

せっかく、遠くからやって来たのだし、又というわけにはいかかないのですから、見ていきましょうよ。

しばらくたっても、なかなか、列が進みません。

しびれを切らしたように、父親が言いました。

父親:この近くのビルの上の方に行けば、同じような景色が見られるんじゃないの。

そこで、食事でもしたら、どうなの。

母親:娘たちはどうなのかしら。

母親は娘たちに聞きました。

母親:お父さんはああ言ってるけど、どうする?

娘たち:私達はどっちでも良いわよ。

母親:そう。残念ね。 でも、お父さんの言う通りにしましょう。

父親:いいよ。いいよ。折角ここまで並んだんだから。ここで見ていこう。

ただ、言ってみただけなんだから。

私も長い間、並んでいたので、この家族のそれぞれの気持ちがよく理解できて、

この会話をとてもほほえましく、思えたのでした。

帰った後で、この話を家族にしたら、『結局、女性陣の勝ちね』と言われたのでした。

輝く博愛スターズ

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